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ホップのアルファ酸とは?ビールの苦味の仕組み

ホップの品種情報に必ず記載される「アルファ酸(Alpha Acid / AA%)」は、ビールの苦味を決定づける最も重要な指標です。アルファ酸は主にフムロン、コフムロン、アドフムロンの3種類の化合物の総称で、ホップの毬花に含まれるルプリン腺に蓄えられています。

苦味が生まれる仕組み:異性化

アルファ酸そのものは水に溶けにくく、そのままでは苦味をほとんど感じません。麦汁の煮沸中に熱が加わることでイソアルファ酸に異性化(イソメリゼーション)し、はじめて水溶性の苦味成分となります。煮沸時間が長いほど異性化率は高くなり、一般的に60〜90分の煮沸で最大約30〜40%のアルファ酸が異性化されます。

AA%の読み方

ホップのスペックに記載される「AA 5.0〜7.0%」はホップの乾燥重量に対するアルファ酸の含有率を示しています。品種による典型的な範囲:

  • 低アルファ酸(2〜5%):ザーツ、テトナング等のノーブルホップ。穏やかな苦味でラガーやピルスナー向き
  • 中アルファ酸(5〜10%):カスケード、ウィラメット等。ペールエールに最適なバランス
  • 高アルファ酸(10%以上):シトラ(11〜13%)、コロンバス(14〜16%)等。IPAの力強い苦味を支える

IBU:苦味の単位

IBU(International Bitterness Units)はビール中のイソアルファ酸の濃度を表す国際的な単位で、1 IBU = 1mg/L のイソアルファ酸に相当します。IBU の概算には Tinseth や Rager の計算式が広く使われており、アルファ酸の量・煮沸時間・麦汁の比重から算出します。一般的なラガーは15〜25 IBU、ペールエールは30〜50 IBU、IPAは40〜70 IBU 程度です。

出典

アルファ酸苦味IBU醸造科学