せっかく育てたホップを病気や虫にやられるのは悔しい。予防が最大の防御 だ。
ベランダ栽培はプロの農場と比べて管理面積が小さいぶん、目が行き届きやすい。早期発見・早期対応ができれば、大きな被害は防げる。
二大病害: うどんこ病 & べと病
うどんこ病(Powdery Mildew)
ホップ栽培で 最も注意が必要な病気。Podosphaera macularis というカビが原因。
- 症状: 葉の表面に白い粉のようなカビが発生。進行すると葉全体を覆い、光合成が阻害される。毬花に感染すると品質が著しく低下し、使い物にならなくなる
- 好発条件: 気温18〜28℃・湿度60%以上。日本の梅雨〜初夏がまさにこの条件
- 予防: 風通しを良くする。葉が密集したら間引く。窒素肥料のやりすぎを避ける(軟弱な新芽が感染しやすい)。水やりは根元に。葉に水をかけない
- 対策: 感染初期なら、感染した葉を取り除いて処分(堆肥にしない)。重症なら園芸用の殺菌剤(カリグリーンなど)を使用。重曹水(500mlに小さじ1)を噴霧する民間療法もあるが、効果は限定的
べと病(Downy Mildew)
Pseudoperonospora humuli というカビが原因。うどんこ病と並ぶホップの天敵。
- 症状: 葉の表面に黄色い斑点が現れ、裏側に灰色〜紫色のカビが発生。進行すると葉が枯れ落ちる。新芽が感染すると「スパイク」と呼ばれる異常に短いつるになる
- 好発条件: 低温多湿。春先の雨続きの時期に要注意
- 予防: 水はけを良くする。株元の通気を確保。枯れ葉をこまめに除去
- 対策: 感染部分を切除して処分。銅系殺菌剤(ボルドー液など)が有効
主要害虫: アブラムシ & ハダニ
アブラムシ
- 症状: 新芽やつるの先端、葉の裏に小さな緑〜黒の虫が群がる。ウイルスを媒介することもある
- 予防: テントウムシやカマキリが天敵。ベランダで見つけたら大事にしよう。窒素過多だと軟弱な新芽にアブラムシが集まりやすい
- 対策: 少量なら水を強めに噴射して洗い流す。セロハンテープで直接剥がす方法も有効。大量発生したら園芸用の殺虫剤(ベニカスプレーなど)を使用。ニームオイルのスプレーは有機栽培派に人気だ
ハダニ
- 症状: 葉の裏に極小の赤い点。クモの巣状の糸が出ることも。葉が黄色〜茶色に変色し、乾燥したように見える。放置すると葉が落ちて光合成能力が大幅に低下
- 好発条件: 高温乾燥。真夏にエアコンの室外機の風が当たる場所は危険
- 予防: 葉の裏に霧吹きで水をかける(ハダニは乾燥が好き)。週2〜3回のシリンジ(葉水)が効果的
- 対策: 初期なら水の噴射で洗い落とす。重度なら園芸用の殺ダニ剤を使用
日常の健康チェック
週に1回は 葉の裏側 をよく観察しよう。病害虫は葉の裏に最初に現れることが多い。水やりのついでに葉を裏返す習慣をつけるだけで、被害を最小限に抑えられる。
異変を見つけたら、まず 感染した葉を取り除く。そして原因を特定してから対策を打つ。焦って殺菌剤と殺虫剤を両方撒くのは、ホップにもダメージを与えるので避けたい。