ビールは「苦い水」じゃない 1 / 10
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ビールは「苦い水」じゃない

君はビールのこと、どれだけ知ってる?

「苦くて冷たい飲み物」——まあ、間違いではないんだよね。でもそれだけじゃもったいない。

ビールの味は 苦味・甘味・香り の三角形で成り立ってる。大手のラガーばかり飲んでいると「苦い水」に感じるかもしれないけど、世界にはフルーツみたいに甘いビールも、花の香りがするビールもあるんだ。

ビールの「味の三角形」

麦芽(モルト) が甘味を担当する。大麦を発芽させて乾燥したもので、パンのような香ばしさやカラメルの甘味を生み出す。焙煎の度合いで色も変わる——淡い色ならビスケット風、濃い色ならチョコレートやコーヒーの風味になる。

ホップ が苦味と香りを生む。つる性の植物で、毬花(まりはな)に含まれるアルファ酸が煮沸されることで苦味に変わる。品種によって柑橘、花、松、トロピカルフルーツなど実に多彩な香りを持つ。世界には250以上のホップ品種が存在する。

酵母 がアルコールと風味を作る。糖を食べてアルコールと炭酸ガスを出すだけじゃない。エステルやフェノールと呼ばれる副産物が、バナナやクローブのような独特の風味を生み出す。使う酵母が違えば、同じ原料でもまったく別のビールになる。

「水」という隠し味

もうひとつ忘れちゃいけないのが だ。ビールの約90%は水でできている。軟水で仕込めばまろやかに、硬水で仕込めばキレのある味になる。チェコのピルゼンが軟水だったから、あの繊細なピルスナーが生まれた。イギリスのバートン・オン・トレントが硬水だったから、力強いIPAが生まれた。水が変われば、ビールのスタイルごと変わるんだ。

世界に100以上あるビアスタイル

Beer Judge Certification Program(BJCP)のガイドラインには、100以上のビアスタイルが定義されている。軽いアメリカンライトラガーからアルコール度数15%を超えるバーレイワインまで、ビールの幅は想像以上に広い。

スーパーの棚に並ぶ大手ビールは、その100分の1にも満たない選択肢だ。残りの99%がまだ君を待っている。

今日はこれだけ覚えておけばいい——ビールは「苦い水」じゃなくて「味の三角形」だってこと。次回はその三角形の一角、ホップについて話そう。