「なんかいい香り」で終わらせるのは、もったいない。ホップの香りには 語彙 がある。
香りを言葉にできると、自分の好みが見えてくる。「シトラス系が好き」と分かれば、カスケードやセンテニアルを使ったビールを選べばいい。「トロピカル系が好き」なら、シトラやモザイクを探せばいい。
ホップアロマの3大カテゴリ
シトラス系
グレープフルーツ、レモン、オレンジ、ライム。アメリカンホップの代表的な香りだ。カスケード(グレープフルーツ)と センテニアル(レモン)が有名。ウエストコーストIPAでよく感じる、爽やかで切れのある香り。日本で買いやすいビールだと「よなよなエール」がカスケードのシトラスアロマを楽しめる。
主要テルペン: リモネン(柑橘類にも含まれる同じ成分)
トロピカル系
マンゴー、パッションフルーツ、パイナップル、グアバ、ライチ。シトラ(ライチ、パッションフルーツ)と モザイク(ベリー、マンゴー)が双璧。Hazy IPAの流行とともに人気が爆発した香りのカテゴリだ。ジュースのような甘い香りが特徴で、ビール嫌いの人がHazy IPAにハマるのはこの香りの力が大きい。
主要テルペン: ゲラニオール(バラにも含まれる)、リナロール
フローラル・ハーバル系
花、ハーブ、スパイス、紅茶、白ワイン。ヨーロッパのノーブルホップに多い香りだ。ザーツ(チェコ産、上品なスパイス)、ハラタウ(ドイツ産、繊細な花の香り)が代表格。控えめで上品な香りなので、主張の強いアメリカンホップとは対照的。ピルスナーやベルジャンビールで感じやすい。
主要テルペン: フムレン(ウッディ、土っぽい)、ファルネセン(フローラル)
もうひとつの軸: レジン・ダンク系
上の3つに加えて、レジン(樹脂)系 も知っておくと通っぽい。松やにやウッディな香り。シムコー や コロンバス が代表的で、苦味の強いダブルIPAでよく使われる。「ダンク(dank)」と表現されることもあり、大麻っぽい青い香りを指す業界用語だ。
テイスティングの習慣をつけよう
次にビールを飲むとき、鼻を近づけて「これは...シトラスっぽいな」とか「トロピカルだな」くらいでいい。言葉にする習慣 をつけると、だんだん嗅ぎ分けられるようになる。
スマホのメモに「銘柄名、ホップ品種(分かれば)、感じた香り」を3行くらい残しておくと、数ヶ月後に自分の好みの傾向が見えてくる。
ワインのテイスティングみたいに堅苦しくなくていい。楽しみながらやろう。